エコでつながるタイヤと業界全体の
あかるい未来を創造
はじめまして、分部光治と申します。1967年生まれの大阪市西成区出身で学生時代はサーフィンやサッカーに熱中しました。高校卒業後は様々な職を経験し、2001年に株式会社オールドギアを設立。タイヤ・ホイールの製造販売を中心に「エコロジーリサイクルショップ」として事業を展開しています。現在全国に店舗を展開し、新品・中古タイヤの販売や買取、通販事業など多様なサービスを提供。「縁、運、勘、人」を大切にし、「俺についてこい!」というリーダーシップで社員と共に成長しています。環境保護や地域貢献にも力を入れ、業界に貢献し続けられるように新たな挑戦を続けています。
分部 光治の強み
私の強みは、環境意識とビジネスセンスを兼ね備えた経営者であることです。株式会社オールドギアを設立して以来、中古タイヤやホイールのリサイクルに取り組み、限りある資源を大切にすることを企業使命としてきました。環境問題に対する意識を高め、業界の活性化にも貢献しています。また、社員と信頼関係を築き、チーム全体が一丸となって目標に向かう姿勢を重視。さらに、新たな挑戦を恐れず、常に前向きな姿勢で事業を推進することで、持続可能な成長を目指します。
不動産業界からアパレル業界、そして車業界へ——異業種を渡り歩きながらも成功を収めてきた分部社長。その原動力と経営哲学、これからのビジョンを掘り下げる。
私がこの道を選んだきっかけ
「元々は不動産業界で働いていた」と分部社長はこれまでの経歴を語り始めた。当時勤めていた不動産会社の社長からは、経営の基礎を学ぶ機会を得た。「その社長は本当に商売が上手くて、経営の仕組みや日銭・月銭・年銭というお金の流れを徹底的に教えてくれました」。
不動産業だけでなく、飲食業やホテル業、ビル管理など幅広い多角経営を経験した。しかし、会社の経営方針に疑問を感じることも多く、最終的には意見の対立から自ら会社を離れることを選んだのだ。
その後、子供服の買い付けビジネスを開始。自らアメリカへ赴き、独自の視点で当時国内未進出のブランドを仕入れ、日本で販売を行った。「現地で直接買い付けるのが楽しかったですね。新品のデザインや流行をいち早く知ることができるのが魅力でした」と語る。
しかし、長い目でずっと続けられる仕事を、と次第に次の道を模索するようになっていく。「ちょうどその頃、兄が車の業界にいて、タイヤホイールの販売というビジネスモデルを教えてくれたんです」。最初は「タイヤ交換もしたことがないし、車にも興味がなかった」と分部社長は笑う。しかし、東京で多店舗展開しているショップを視察し、業界の仕組みを学ぶうちに「これはいけるかもしれない」と確信。そこから本格的にビジネスをスタートさせた。
「知識のないスタートだからたくさん苦労した」と語るものの、その苦労を多くの人の支えで乗り越えてきた。たとえば、車に詳しくなかった創業当時の社長を支えたのは、兄の会社で働いていた知識豊富なスタッフだった。「その人がうちに来てくれたおかげで本当に助かった」と感謝の言葉を口にする。
仕事をする上で大切にしていること
分部社長は仕事をする上で何より人のつながりを大切にしている。「人が好きなので、人のつながりっていうものを常に大切に」との言葉通り、彼の仕事のスタイルはまさに人との繋がりに重きを置いている。
若いうちに結婚して家庭を持ってからもたくさんの人と会って話すことを続けてきた。「ブッキングも、前半はどこ、後半は誰々とみたいなぐらい、表に出ていました」と、ときには家庭よりも仕事を優先するほどだったとその多忙ぶりを振り返る。
「本当に常に呼ばれれば行くみたいな」と笑うが、そうした積み重ねは今の事業の成長に大きく貢献している。分部社長の強みである人間力・行動力が、人との繋がりを築く源となり、そこから生まれる信頼関係が今の事業を支えているのだ。
また、分部社長は「反面教師になったかつての雇い主の影響も大きい」とも打ち明けた。以前勤めていた不動産会社の社長は巧みな資金管理でバブル崩壊を生き残ったが、疑問を感じることも多かったという。その経験から「自分ならこうしたい」という想いが生まれ、現在の会社運営に活かされている。
今抱えている課題
業界の課題として、分部社長は「車の所有意識の変化」に着目する。かつては車の免許を取ることや自分の車を所有することがステータスだった。しかし、今はカーシェアやレンタカーの普及で「車を持つこと」へのこだわりや憧れが薄れてきている。
「僕らの時代は、「わ」ナンバー(レンタカーのナンバー)が恥ずかしいなんて言ってたけど、今の若い子たちは全く気にしてない」と時代の変化を語る。その変化は業界にも影響を与え、従来のビジネスモデルだけでは厳しくなってきた。特に地方のショップは、お客さんの流れの変化や価格競争の波に飲まれて売上が減少しているという。
「メーカーの営業が地方に足を運ばなくなり、ショップとの関係が希薄になっている」とも指摘する。業界全体のネットワークも希薄になりつつあるのだ。
こうした問題は後継者問題にも直結し、業界全体を揺るがしているという。
未来の展望
「地域のショップが生き残れる道を作ることが、自分にできる恩返しだと思う」と力強く語る。これまで培った経験を活かし、業界全体に恩返しをすることが今後の大きな目標だ。
その一つが、株式会社オールドギアが立ち上げた「ちょっとピット」というサービス拠点である。日時を予約したうえでタイヤを持ち込んでもらえば取り付けるというサービス形態だ。
今の親世代には行きつけの店があったが、現在の「車を所有しない」という若者のスタイルにはなかなかマッチしない。しかし、タイヤの取り付けというニーズがなくなることはないのだ。
そこに「ちょっとピット」が必要とされる。こうしたネットワークを全国に拡大していくことで、業界全体が持続可能な形で成長できるような仕組みを作ることが課題の解決、そして未来の展望へとつながっている。
「人口減少のもとにやはり後継ぎ問題であったりとか、そういったところで悩まされているオーナーさんなり経営者の方々はたくさんいる」と業界が抱える問題にも、時代に合ったスタイルを提供することで経営支援により、持続可能な業界作りに貢献することを決意している。
「業界全体が良くなるために力を注いでいきたい」。その言葉には、未来を見据えた強い使命感と、人との縁を大事にする社長の想いが込められていた。
まとめ
分部社長が歩んできた道のりは、多くの経験と学びに裏打ちされたものだ。彼の持つ芯の強さは、「人との繋がり」を大切にする姿勢に現れている。
「業界に恩返しをしたい」
現在の課題においても業界の変化に対応するために、既存の枠組みを超えた挑戦を目指し続けることで、業界全体の活性化を目指している。彼の一貫した姿勢と情熱が、これからも多くの人々の心を動かし、信頼を築き上げていくことであろう。彼が描く未来のビジョンには、確かな希望と可能性が満ち溢れている。